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善玉菌・悪玉菌・日和見菌|腸内フローラを作り上げている細菌の種類

腸内細菌の種類と特徴

腸内一面に広がる「お花畑の工場」で、約1000兆の腸内細菌たちが毎日せっせと働いている様子をイメージしてみてください。腸内細菌は種類やグループごとに棲み分けられていて、仕事の役割分担がだいたい決められているようです。ある細菌は食べ物を分解し、ある細菌はウンコを固め、ある細菌はホルモンを合成し、ある細菌はセロトニンのもとを作るといったように、工場内のいろいろなセクションで作業が行われています。

 

このページでは腸内フローラを作り上げている細菌の種類を紹介します。

 

腸内細菌の種類と特徴

腸内細菌は、腸の中でいくつのもまとまりを作っています。それを「腸内細菌叢(腸内ミクロビオータ)」と読んでいます。腸内細菌叢はそれぞれに違っていて、同じものは2つとありません。腸内細菌叢を形成している菌は、その働きによって「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(中間菌)」の3つに分けられています。(この呼び名は学術的なものではなく、便宜上の呼び名にすぎません。)

 

文字どおり、善玉菌は私たちの体に有益な働きをする腸内細菌のこと。悪玉菌は、体に有害な働きをする腸内細菌のことです。日和見菌(中間菌)は善でも悪でもない腸内細菌を指しています。また、どのような働きをしているのか解明されていない細菌もこの日和見菌の中に含まれています。

 

悪玉菌は体にとって必要のないもの?

では、体に有害な働きをする悪玉菌は必要のないものなのでしょうか。実は、そうではありません。悪玉菌が常に悪玉菌だとは限らないのです。環境が変わったり、別の菌と一緒になったりすることで体に良い働きをすることもあります。たとえば、悪玉菌の代表となっている大腸菌はビタミンを合成したり、0-157などの病原菌が腸内に定着することを防止したりする役割を担っています。

 

要はバランスの問題で大腸菌などの「悪玉菌」が増え続けてしまうと問題が起きますが、「要らないもの」として根絶することは、かえってマイナスを招くのです。

健康のカギを握っている日和見菌とは?

善玉菌と悪玉菌を腸以内で共存させるためのポイントは、どちらを優勢にするかということです。常に善玉菌が優勢にになっていれば、腸以内環境は良好であるといえます。

 

そのカギを握っているのが、日和見菌(中間菌)です。善玉菌と悪玉菌のうち、優勢な方につく性質があります。善玉菌が優勢であれば、日和見菌は善玉菌の方になびき、腸内で「発酵」を起こします。悪玉菌が優勢であれば、悪玉菌になびくことにより「腐敗」が起こってしまうのです。