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脳と腸はコミュニケーションを取っている|脳腸相関について

脳腸相関について

腸の健康を考える上で、覚えておいていただきたいことがあります。それは、腸と脳には密接な関係があるということです。

 

腸は脳からのシグナルがなくても、有害な菌が侵入すれば殺菌したり、体外に出したり、独立して活動することができる器官ですが、脳腸相関とは、重要な器官である脳と腸がお互いに影響しあうことを意味する言葉です。

 

最近、ストレスが及ぼすいろいろな影響のひとつとして「脳腸相関」という考え方が広く知られるようになってきました。脳腸相関というのは、「ストレス - 脳 - 消化管」の機能的関連を示す言葉で、「ストレスによって生じる消化器症状や、消化器症状によって情動が影響される現象」と定義されています。脳がストレスを感じれば、それが腸に伝わって腸のストレスになるし、腸がストレスを感じれば、それが脳に伝わって脳にとってのストレスとなるのです。

脳と腸は情報交換をしている

たとえば、食事をすると、腸は食べ物が流入してきたことを感知してホルモンを分泌し、脳の満腹中枢を刺激して満足感をもたらします。また、脳がストレスを感じるとお腹が痛くなったり、便意をもよおしたりしますが、これは脳が腸にストレスのシグナルを伝えているからです。逆に、腸内が有害な細菌やウイルスなどに侵された場合は脳が不安を感じます。脳が感じる食欲なども腸からのシグナルが関与しています。

便秘はうつを引き起こす

腸の機能低下が深刻化した慢性便秘症の人は、抑うつ的な表情になることが多いといわれています。一日中排便状況について考えていると、気が滅入り、抑うつ的な顔つきになってしまうのかもしれません。うつ状態になると、腸管の運動が低下し、その結果、排便状態が悪化して腸管の機能低下が生じます。まさに便秘→うつ→便秘・・・という悪循環に陥ってしまうのです。

 

慢性便秘症の人は、身体的悪循環と精神的悪循環の2つが重なり合い、お互いに悪影響を及ぼしていると指摘する医師もいます。うつ病の薬の多用で腸の状態が悪化(便秘)することからも、脳と消化管の相関はあると考えられるのです。また、腸の状態がよくなるとうつが改善することがあります。

 

つまり、脳が消化管を支配するばかりではなく、腸から発生した信号が脳の働きを左右しているのです。私たちは頭の中と腸の中に2種類の脳を持っていて、コミュニケーションを取っていることになります。

【脳腸相関のまとめ】

いまだに腸は、主に消化・吸収を目的としているととらえがちですが、人間の感情や気持ちなどを決定する、神経伝達物質の多くは腸で作られているのです。「腸が煮えくり返る」「断腸の思い」「腹をくくる」「腹を探る」など、人の気持や心と腸や腹を関係づけた表現が多いのは、脳と腸の関係が影響していると考えられます。脳腸相関を考えると、基本的に脳が喜ぶことは腸も喜び、腸が嫌うことは脳も嫌うという関係が成立します。

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