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腸内細菌が減る原因|腸内細菌は神経質でデリケート

食べ物、ストレスなどで腸内細菌は減る

不規則な生活や睡眠不足、朝食抜きの習慣、強いストレスがあると、腸リズムが乱れて下痢や便秘などの便通異常が起きます。便通異常は腸内細菌のSOSのようなもので、腸内環境が悪化することで起こります。つまり、私たちの健康パートナーである腸内細菌は、とても神経質で影響されやすく、うつろいやすい性質なのです。

 

そういうデリケートな存在だからこそ、私たちは普段から腸内細菌というパートナーの声にしっかり耳を傾けて、彼らが安心して働ける腸内環境を作っていく必要があるのです。

腸内細菌は食べ物に影響されやすい

腸内細菌のバランスを変動させる原因はいろいろありますが、もっとも影響が大きいのは日々入ってくる食べ物です。腸内細菌の好きな食べ物が入ってくれば、善玉菌がググッと増えてきて腸内フローラの生産性が向上します。一方、腸内細菌の嫌いな食べ物が入ってくれば、悪玉菌がどっと増えてきて腸内フローラの生産性がガタ落ちとなります。

 

多くの研究者が行っている実験でも、合成着色料、合成保存料、発色剤、結着補強材などの食品添加物を大量に含んだ加工食品によって、腸内細菌が悪影響を受けていることが確認されています。特に合成保存料は食品に付着した細菌の増殖を抑える物質なので、これを摂取し続けると腸内細菌のすべてが元気を失い、腸内細菌は打撃的な損傷をうけることになるのです。

 

腸内細菌が激減してしまうと、セロトニン、ドーパミンという「幸せ物質」が作れにくく、不健康な環境で生きることになってしまうのです。とにかく、腸内細菌のバランスは、入ってくる食事内容によっててきめんに変わってしまうのです。栄養の偏りや食べ過ぎ、飲み過ぎでも、すぐにバランスを崩してしまうデリケートな存在です。

腸内細菌はストレスに影響されやすい

食べ物以外で腸内細菌のバランスが崩れる原因はストレスです。疲労、不眠、栄養不足などの生理的ストレス、気温、湿度、騒音などの物理的ストレス、そして、離婚、家族の死、経済的困窮などの社会・心理的ストレス、これら脳が感じたストレスの影響を最も受けやすいのが腸内細菌なのです。

 

脳と腸は人体の上と下に位置していて、一見遠い相手に見えますが、実は非常に密接した関係にあります。脳の情報は自律神経を通じて、腸管粘膜にある神経細胞に伝達されるので、脳が感じたストレスに腸もすくさま反応するのです。

 

NASAの研究によると、宇宙飛行士たちの腸内細菌の状態を調べたちころ、極度の不安と緊張時に悪玉菌といわれる「バクテロイデス菌」が大量に出ていることがわかったそうです。日本では、阪神淡路大震災の前後に腸内フローラの変化が調べられています。震災後、顕著だったのはカンジダやシュードモナス菌の増加で、心理的、身体的ストレスが善玉菌を減らし、悪玉菌を増やしたいと考えられます。

 

腸内細菌がストレスから悪影響を受けていることが、さまざまな研究によって明らかになっているのです。