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心と免疫

前向きな生き方が免疫力を高める

病は気から

病気になった自分を責めれば免疫力はさらに低下し、病気が悪化する悪循環を招きます。むしろ、病気になった自分を労わって、くよくよせずに前向きな生き方を目指すほうがいい。その心の持ちよう(切り替え)が免疫力を高め、回復への道を切り開く力になるのです。
「病は気から」という古くからのいわれが科学的に実証されてから、治療現場においても患者のメンタル面へのアプローチが注目される時代になってきました。

“自分は病気”という思い込みが引き起こす病気もある

 初期の免疫研究の有名な記録に『造花による、バラ花粉症』の一篇があります。
19世紀、アメリカの内科医ジョン・ノーランド・マッケンジーがある女性のアレルギー患者に試した診療の記録です。
 
 アレルギー疾患であるこの女性は長年、花粉による激しい鼻炎に苦しみ、あらゆる療法を試しても何の改善もみられませんでした。
そこでマッケンジー医師は、あるトリッキーなアイデアを思いつき、試してみることにしたのです。

 この女性患者の次の診察日、マッケンジー医師は本物そっくりのバラの造花を彼女の鼻先に差し出しました。一分後、彼女は「くしゃみがでそう」といい、五分後には完全なアレルギー発作を起こしはじめました。
そのとき、医師は患者に伝えました。
「じつは、このバラは造花なのですよ」と。

 彼女はひどく驚いて、自分で確かめるまで医師の話を信じませんでした。そして激しいくしゃみに悩まされつつ診療所をあとにしました。しかし、その心はいつもと違う不思議な高揚感に包まれていました。「もしかすると自分の病気は治るかもしれない」という希望です。
 二、三日後、彼女が医師の元に訪れたとき、その鼻先に差し出されたのは香しい匂いを放つ『本物のバラの花』です。彼女はその花粉を思い切り吸い込みました。しかし、くしゃみはついに一度も出なかったのです。

楽観的な性格の人は免疫力が高い

くよくよせず前向きに生きよう

 この記録が示すのは、彼女の花粉症はその原因が鼻ではなく心にあったことです。彼女自身の心の持ちようが免疫システムを動かし、症状を改善した。そう考えて差し支えないでしょう。
 このような「心と免疫」の関係を示すドラマティックな体験や実験、研究の記録は、古今東西に数多く残されています。医療に見放された患者さんが自力で回復した例は決して少なくないのです。
病気の進行を止め、一転して回復に向かわせた「きっかけ」とは一体何なのでしょうか? 

じつは、心の状態と免疫の関係はすでに科学的に証明されています。
 世界的免疫学者である安保徹氏は『自分ですぐできる免疫革命』の著書でこう述べます。
「楽観的な人のほうが免疫力は高いのです。楽観的な人は症状が悪くなっても前向きで、それほどくよくよしません。そういう気持ちの持ちようが免疫力を高めるには、とても大切なのです」
 

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