EMとは有用微生物群(Effective Microorganisms)

Effective MicroorganismsEMとは、Effective Microorganismsの頭文字。
好気性(酸素を好む)・嫌気性(酸素を嫌う)双方を含む4群(約80種類)微生物が、その共存作用により、私たち人間を含む生物にとって、プラスとなる環境(抗酸化作用)を創り出してくれるのです。

EMの思想

EM技術が1982年に確立されてから、日本はもとより、またたく間に世界に広がったのは、比嘉教授のEM普及方針が、シンプルでわかりやすく、受け入れられやすい考え方をベースにしていたことが大きな理由です。
そのひとつが”共存共栄”という考え方ですが・・・
比嘉教授は、生物としての人間に、”競争原理”と”弱肉強食”の本能がDNAに刻み込まれていることを認めますが、今やこの”本能”が地球環境を丸ごとを破壊し、ガン細胞のように人類全体の生存を危うくしている現状に警鐘をならします。
そして”「食」のような生命の基本や「医」や「環境」に関しては、競争原理にさらさないという原則をつくるほかない”(『地球を救う大変革』サンマーク出版1993)と宣言し、EMの普及にあたって、”よいことは少しでも早くみんなに教え、そのよいことをどんどん広めて、さらによいことに結び付けていく”(同書)、という共存共栄の思想を自ら実行しました。

EM菌4群の紹介

光合成細菌

image02この細菌は大昔から、それこそまだ地球の大気中に酸素がなかったころから今日まで生きてきました。
いまでも、太陽光があたって水のあるところならどこにでも、ひっそりと奥ゆかしく生きています。
この「光合成細菌」は知ればしるほど、超のつく優れものなのです。

  1. 光合成細菌の分泌物は、植物や他の微生物の増やす生理活性物質(いわゆるビタミン類)が多く含まれている。
  2. 光合成細菌は、腐敗菌の作り出す有毒物質(硫化水素や有毒アミン)が大好物 。
  3. 光合成細菌を餌とする放線菌が増えて、土壌の病害微生物が少なくなる。

乳酸菌

image03乳酸菌というと、ヨーグルトやキムチを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、乳酸菌とは、糖質をエネルギー源として、乳酸を作り出す菌類の総称です。
腸内での活動内容は・・・

  1. ブドウ糖等を分解して、乳酸を作り出し、腸内環境を酸性に保つ。
    その結果アルカリ性を好む病原菌類の増殖を抑制する。
  2. 腸内有害菌は、タンパク質の分解により、硫化水素、アンモニア等の有害物質を生成するが、乳酸菌はこれら人体有害物質による腐敗を抑制する。
  3. 体内で生理活性物質(ビタミンB群等)を作り出す。これらが活性酸素を除去する抗酸化物質となる 。
  4. 侵入してくる病原菌を攻撃し、死滅させる 。

乳酸菌はやはり只者ではありません。
ただしこれはあくまで腸内に昔から住む乳酸菌の話。ヨーグルトや漬物など食物として摂取する乳酸菌は、身体にとって別グループの乳酸菌に属し、腸内に長く住み着くことはできません。
食べ物としてとる乳酸菌は、腸内で酸を作り出し、腸内乳酸菌をサポートする役割を果たしているのです。

酵母菌

image04発酵食品では大抵、酵母菌が活躍しています。
酵母菌のエネルギー源は糖質ですが、糖をアルコールと二酸化炭素に分解することで呼吸し、自らの生命活動に必要なエネルギーを確保しています。
「バランスアルファ」の生成過程において、この酵母菌が表面に白い膜を張ります。この膜によって、酸素を嫌う乳酸菌類や光合成細菌が、直に酸素に触れなくてもすむ環境を作り出します。
さらに、酵母菌が作り出すアルコール類は、有害菌が活性液の中に侵入するのを防ぎます。
出来上がった「バランスアルファ」の中では・・・
酵母菌は、主役である乳酸菌や光合成細菌が作り出すアミノ酸や炭水化物を、今度は人の身体にとって大切な酵素に作りかえます。
このように酵母菌は、微生物パワーの主役である乳酸菌や光合成細菌の生命活動を助けると同時に、彼らが作り出した物をまわりの生命が受け入れやすいものに変える最終調整も行っているのです。
酵母菌は生き物の生命活動を支える無くてはならない存在なのです。

放線菌

image05“掃除好きの殺し屋”
” 放線菌〟という名前は知らなくても、 ” 抗生物質〟なら知っていますよね。
かつて死の病だった結核を治療可能にしたのは、ストレプトマイシンという抗生物質です。
これこそ放線菌が作り出したものなのです。現在、医療用に使われている抗生物質の大半は、この放線菌を利用して作られています。
放線菌の第一の特色は、抗生物質にみられる〝強い殺菌作用〟です。
不思議にも、自然の土壌内で放線菌に退治されるのは、根腐れ病菌や青枯れ病菌など、病原菌、腐敗菌ばかりです。
乳酸菌や酵母菌など有用菌類とは共存できているのです。
そういうわけで、『バランスアルファ』内の放線菌は、もっぱら外からの侵入者を退治する役割を担っています。
放線菌の第二の特色は、掃除屋であることです。
彼らは生物の死骸の中でも特に分解されにくいキチン質(蟹の殻・昆虫の身体・貝の殻など)や繊維質(葉・木質・毛)を好んで食べてくれます。
彼らの働きがあって、初めて生き物は土に還り、再び生命の源になることができるのです。