カルシウムを与えると骨は強くなるのですか？

過剰なカルシウムは排出されます

骨を丈夫にする栄養と言えば・・・、
やはりカルシウムというイメージがあるようで、犬や猫の飼い主さんは、「カルシウムを与えれば骨が強くなって健康になる」と考えがちですね。

そのため、カルシウムを添加したおやつや小魚を多く与える傾向があります。しかし、動物の身体は「必要なものを吸収し、不必要なものを排泄する」ことで細胞内外のバランスを維持しようとするホメオスタシス（恒常性）を持っています。つまり、カルシウムを多く与えても必要がなければ体外に排泄されてしまうのです。

カルシウムの血中濃度は、腸管からの吸収、骨からの出入り、腎臓からの排泄により決定されています。つまり食事からのカルシウム摂取が多く、カルシウムの血中濃度が上昇すると破骨細胞が活性化され、骨からカルシウムが遊離され、過剰分が腎臓から排泄されることになります。

カルシウムの与えすぎは骨を弱くする

また、リンを多く含む肉やジャーキーなどを過剰に与えると、今度は骨からカルシウムが遊離されます。よって、カルシウムやリンの過剰摂取や、そのバランスの乱れは骨が強くなるどころか逆に骨を弱くし、さらに腎臓に負担をかけることになります。

総合栄養食であるペットフードにはすでに必要十分量が添加されていますので、サプリメントなどでカルシウムを与えると過剰摂取となってしまいます。良かれと思い与えた食べ物でペットが病気にならないように注意が必要です。