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犬や猫に最も大切な栄養は何ですか?

タンパク質|最も大切な栄養素

犬や猫に一番大切なのはタンパク質

栄養素とは、食物中に含まれる生命を維持するために必要な物質のことをいいますが、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素の中で、肉食動物である犬や猫に最も重要な栄養素がタンパク質です。

このページでは、犬や猫にとって最も大切な栄養素であるタンパク質についてやさしく解説します。

タンパク質はアミノ酸の集合体

食品中のタンパク質は、肉、魚、卵、乳製品に含まれる「動物性タンパク質」と穀類や豆類(とくに大豆)などに含まれる「植物性タンパク質」に分類され、1gあたり4kcalのエネルギー源となります。

タンパク質は、エネルギー供給のほか筋肉・各組織・血液・酵素・ホルモン・免疫抗体の原料となり、生命システムで最も多用な機能を持つ栄養素で、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)で構成されたアミノ酸の集合体です。

タンパク質は動物体のおよそ20%を占める構成成分で、20種のアミノ酸が多数結合(ペプチド結合)してできた化合物です。食事から取り込まれたタンパク質は、消化酵素プロテアーゼによりアミノ酸まで消化されて吸収され、体内で再び動物特有のタンパク質に再合成されます。アミノ酸が2個結合したものをジペプチド、3個結合したものをトリペプチド、多数結合したものをポリペプチドと言います。タンパク質もポリペプチドの1種になります。

アミノ酸は20種類あり、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分類されます。必須アミノ酸は、体内合成ができない、あるいは合成が不十分なため食事から必ず摂取する必要があるアミノ酸で、人の場合は9種類(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン)、犬はアルギニンを加えた10種類、猫はアルギニンとタウリンを加えた11種類です。

タンパク質の要求量は、肉食性が強いほど高くなるため、犬より猫が高くなっています。また、ライルステージ、ライフスタイル、健康状態や投薬などによっても異なるため、タンパク質が過不足のないように食事管理をすることが健康管理の秘訣となります。

猫と犬に必須のアミノ酸「アルギニン」の役割

タンパク質に含まれる窒素は、体タンパク質の成分として重要ですが、一方で消化過程で有害物質であるアンモニアを産生します。そのため、肝臓には尿素回路(オルニチン回路)という解毒システムがあり、アンモニアを尿素に変換して尿中から体外へ排泄します。この尿素回路が正常に働くためにアルギニンが必要なのです。犬や猫ではアルギニンの体内合成量が不十分であり、とくに猫では食事中にアルギニンが不足すると高アンモニア血症を生じ、死に至ることがあります。また、アルギニンは成長ホルモンの分泌促進や免疫能を増進する働きがあります。

猫に必須のアミノ酸「タウリン」の役割

ほとんどの哺乳類は、必須アミノ酸のメチオニンと非必須アミノ酸のシステインからタウリンを体内合成することができます。猫はタウリンの体内合成量がごく微量であるため、食事から十分量のタウリンを摂取できないと心筋や網膜の疾患、繁殖や胎子の成長位にも悪影響胃を及ぼします。タウリンは肉、卵、魚などの動物性タンパク質にのみ存在し、穀類や野菜には含まれません。

大切なのはタンパク質のクオリティー

生命システムに重要な多くの働きを持ちタンパク質には、その質を評価する方法として「アミノ酸スコア」や「生物価」などがあります。アミノ酸スコアは必須アミノ酸のバランスを、生物価は窒素の体内利用率を、それぞれ100を最高とした数字で示しています。

一般的に植物性タンパク質には第一制限アミノ酸という基準値以下しか含まれないアミノ酸があることや、食物繊維が含まれることでアミノ酸スコアや生物価が低くなります。

アミノ酸スコアや生物価が高いときは、「質の高いタンパク質」だと考えられます。質の高いタンパク質は消化吸収率が高く、消化吸収率が低い食事よりも少ない量で必要量を得ることができます。そのため、排便量がコンパクトになる、アンモニアの産生量が少なくなる、未消化物を減らして腸内環境の悪化を防ぐなどの利点があります。

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