一覧に戻る

不正咬合(ふせいこうごう)について

不正咬合について教えてください

不正咬合(ふせいこうごう)とは

不正咬合とは、正しい噛み合わせができていないことです。

 

野生動物のなかでも、とくに肉食獣の場合、いったん離乳した後は、自らの歯を用いて獲物に食いつき、皮や肉を引きちぎらない限り、行きていく糧を得ることができません。動物にとって歯の噛み合わせとは、生死にかかわる問題なのです。

 

肉食動物の咬合は、獲物に食いついてしっかり捕らえます。そのために顎が、垂直方向で最大の咬合力を引き出せるような配置となっています。(犬の咬合力は、人間の約8倍といわれています)。

 

飼育動物の場合は、不正咬合がただちに生死に影響するわけではありません。しかし、不正咬合は解剖学的に問題があるばかりでなく、流涎(よだれを流す)や、歯周病、歯肉の壊死(生体の一部の組織や細胞が死ぬこと。)といった歯周病を引き起こしやすいと言えます。

 

不正咬合に特定の好発犬種はなく、どの犬種でもなるおそれがあります。

不正咬合の症状

アンダーショット(下顎前突症)

上顎に比較して下顎が著しく長いため、下顎が突出している状態をアンダーショット(下顎前突症)といいます。つねに流涎がみられたり、上顎の切歯や犬歯が下顎の歯肉を刺激して、歯肉炎や歯肉壊死を引き起こします。

 

ブルドッグ、パグ、シー・ズーといった短頭種では、アンダーショットを含む不正咬合が、犬種の特徴として容認されている場合もあります。

オーバーショット(下顎短小症あるいは、上顎前突症)

上顎と比べて下顎が著しく短いため、上顎が突出している状態をオーバーショットといいます。オーバーショットは、ミニチュア・ダックスフンド、イタリアン・グレーハウンド、コリーなどでみられることが多いようです。重症になると、つねに流涎がみられるようになります。また、歯並びが悪い状態ですと、下顎が切歯や犬歯が上顎の歯肉を刺激して、歯肉炎や歯肉壊死を引き起こします。

その他の不正咬合

ゆがんだ咬合(正面から見ると上下顎が左右にずれている)、離開咬合(上下顎が離れている)などの不正咬合があります。

不正咬合の予防

子犬を選ぶ際には、噛み合わせを確認する必要があります。通常、長頭種、中頭種の犬の場合、切歯(いわゆる前歯)の噛み合わせは、シザースバイト(鋏状結合)と呼ばれる状態が正しい噛み合わせです。シザースバイトでは、上顎切歯の舌側に、下顎切歯の辺縁がわずかに接触した状態で噛み合わされます。

 

上下切歯の切縁同士が接触する噛み合わせをレベルバイト(切端咬合)といいますが、生後2か月ですでにレベルバイトの場合、成長後、下顎が突出するアンダーショットになる可能性が非常に大きいと言えます。

 

不正咬合の原因のすべてが遺伝子要因によるとは限りませんが、遺伝的に不正咬合に問題のある動物を繁殖に供することは、避けなければなりません。

一覧に戻る