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アトピー性皮膚炎の犬からアレルゲンを回避しよう

避けるべきアレルゲンについて教えてください

アトピー性皮膚炎の治療では、アレルゲンなど悪化に関わる病因を見つけ、できるだけ取り除くようにしましょう。病因と考えられるものには、以下のようなケースがあります。

食物アレルゲンの回避

フード中にアレルゲンが含まれている場合、フードを毎日食べ続けているために、季節の変化に関係なく通年で症状が認められます。

 

食物に対する過剰反応は、アトピー性皮膚炎と併発しているケースも多く、症状悪化の原因となる場合があります。

 

食物アレルギーを診断するために、原因アレルゲンとなる食物が入っていないフード(除去食)やホームメイド食などを一定時間、間食をあげないよういに気をつけながら与える除去食試験を行います。

 

症状の改善が認められた場合、元のフードに戻す食物負荷試験を実施して、元のフード内に食物アレルゲンが入っていることを証明します。

ノミの回避

ノミが増える季節には、ノミの駆除剤による予防、治療を行います。アトピー性皮膚炎になりやすい素因をもつ犬にノミが繰り返し吸血すると、ノミ唾液がアレルゲンとなり、ノミアレルギーを発症してしまう可能性があるためです。

環境中のアレルゲン回避

皮内反応試験あるいは血清アレルゲン特異的IgE検査を実施して、ハウスダストマイトや花粉など環境中に存在して症状を引き起こすアレルゲンを特定します。アレルギー検査は、回避すべきアレルゲンやアレルゲン特異的免疫療法(減感作療法)に用いるアレルゲンを特定することに役立ちます。

ハウスダストマイトの減量

明らかにハウスダストマイトがアトピー性皮膚炎の症状悪化に関わっていることが示唆される場合、室内中のハウスダストマイトの減量を試みます。

 

最初に十分な部屋の換気と掃除を行い、寝具を高密度繊維製の防ダニに変更、絨毯やマット類は頻繁に掃除機をかけます。

 

また、布製のカーテンもハウスダストマイトの繁殖源となりますので、こまめな掃除、洗濯をします。オモチャでも布製品であった場合、ハウスダストマイトが繁殖している可能性がありますので、60℃のお湯に浸した後に洗濯機で洗うとアレルゲンを回避できます。

細菌、マラセチアの減殺

皮膚または耳道に感染する細菌やマラセチアが検査によって炎症の要因となっていると考えられた場合は、抗生物質等の治療を実施します。

その他のアレルゲン回避

空気の乾燥、衣服、洗い残った洗剤、ストレスなどの精神的要因が人のアトピー性皮膚炎では、悪化につながることが知られています。犬のアトピー性皮膚炎では関係性があれば回避に努めるべきです。

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