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犬の食物アレルギー除去食の種類について

食物アレルギー除去食について教えてください

犬の食物アレルギーの除去食には、家庭調理食・新奇タンパク食・加水分解タンパク食・じゃがいもとアミノ酸食・新奇タンパクと加水分解タンパクの組み合わせ、5種類があります。

 

除去食の歴史を見ますと、除去食ははじめ家庭調理食からスタートしました。

 

これまでに犬が食べたことのないタンパク源と炭水化物源を1種類選んだ物に、植物油やビタミンとミネラルのサプリメントを補充して作られました。

 

家庭調理食は市販の除去食よりも安価(特に大型犬)であり、フードに含まれる食物添加物に対する過剰反応を回避できるメリットがありますが、調理を行う手間と栄養価に関してデメリットがあります。

 

これらのデメリットを解決するために、新奇タンパク食がフードとして開発されました。

新奇タンパク食

家庭調理食と同じように、これまでに食べたことがないようなダックなどの家禽やタラ、ナマズなどの白身魚、サーモン、羊肉などのタンパク源と、じゃがいもや米、タピオカなどの炭水化物源をそれぞれひとつずつ選んで作られたフードが現在市販されています。

 

これまで食べたことがない食物はアレルゲンとして認識されていないことが多いため、過剰反応を回避することができますが、ときおりアレルゲン性がタンパク間で一致する場合があります。

 

この場合は症状が生じてしまうため、これに対処する加水分解タンパク食が次に開発されました。

加水分解タンパク食

加水分解タンパク食は鶏肉や大豆などのタンパク質を加水分解によってバラバラに小さくすることで、肥満細胞表面のIgE抗体に食物アレルゲンが結合しても、肥満細胞の脱顆粒を回避することが可能なフードです。

 

人における乳幼児用の加水分解ミルクと原理は同じです。

新奇タンパクと加水分解タンパク食

現在では、新奇タンパクと加水分解タンパクが配合された市販のフードがあります。

 

ただし加水分解タンパク食は、即時型過剰反応を回避することはできますが、バラバラになった小さな成分も認識することができるリンパ球の反応を回避することはできません。

 

犬の食物アレルギーでは、体内の血流を流れるリンパ球が食物アレルゲンに反応して増殖することが実験で明らかになっています。

 

このことは、食物アレルギーがIgE抗体以外の機序によっても生じることを示しています。

 

このリンパ球を解するアレルギーⅣ型反応は、IgE抗体による症状が30分から2時間程度で発症するのに対し、症状が2日後ぐらいに発症するケースが多くあります。

アミノ酸食

アミノ酸食は、加水分解タンパクでは回避することができないリンパ球による反応を回避するために作られました。

 

アミノ酸だけではフードにならないため、炭水化物源としてじゃがいもを用いています。

 

このフードは理論的には、じゃがいも以外の食物アレルゲンをすべて除外したフードと言えます。

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