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犬や猫も腸内環境は大切ですか?

ペットも腸内環境は重要です

ここ最近、人間の腸内環境に注目が集まっています。
「腸活」「腸内環境」「腸内細菌」「腸内フローラ」というキーワードが多くのメディアで取り上げられ、日常的に耳にするようになりました。人間だけではなく、犬や猫、うさぎなど、腸管を持つ動物のすべてに腸内細菌は存在しています。食べ物の違いから腸内細菌の種類とバランスは違っていますが、人間同様、腸内細菌は健康に重要な役割を果たしています。

腸は「第二の脳」

腸は、小腸と大腸からなります。
腸では食べた物の栄養を吸収し、不要な物は体外に排出されるようになっています。腸には、脳に匹敵する神経細胞が存在し、脳と連携しながら働きを自立的に司り、「第二の脳」と呼ばれるほど。犬や猫にとっても腸は重要な器官と考えられています。

腸内環境が大切な理由

善玉菌を優位な状態にして、腸内環境を整えると免疫力がアップします。
腸には多くの免疫細胞が存在していて、外部から侵入する病原菌を排除したり、体内の細胞が突然変異してガン化するのを抑制したりする「腸管免疫」システムが備わっています。ですから腸内環境を整えることによって、免疫力は高まるのです。その結果、さまざまな病気の予防になり、健康維持につながります。

腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えてしまうと、免疫力が低下し、ウィルスや細菌などの病原菌を攻撃して無害化する力が弱まってしまいます。

腸内フローラとは

お花畑のような腸内細菌群のこと。
腸にはさまざまな細菌が生息しています。その腸内細菌群を「お花畑」にたとえた名称。腸内細菌は、腸の働きを良くする「善玉菌」、病気を引き起こす「悪玉菌」、善玉菌・悪玉菌の優勢なほうの味方になる「日和見菌」にわけられます。ただし、犬や猫などの細菌バランスは人とは異なります。

犬や猫の腸内フローラは、年齢によっても違いがあります。
例えば、猫の場合、バクテロイデス菌という腸内細菌は高齢になるほど比率が高くなります。
犬の場合ではビフィズス菌は高齢になるにつれて低くなります。
犬も猫も若年期ほど、腸内細菌の種類は多い傾向にあります。

「腸内フローラ」という細菌のお花畑が美しく保たれていることが、腸内環境が整った状態と言えるのです。

腸内環境を悪化させる原因

腸内フローラは住環境でも変わります。
犬や猫の腸内フローラは、住環境なども影響しているようで、
都市部で散歩の頻度が低い犬よりも、自然豊かな地方に住んでいて頻繁に散歩をする犬の方が、腸内フローラは豊富な傾向があるようです。また、多頭飼いされている動物たちの方が腸内細菌は多様になるようです。

生まれたてのコアラの子どもは母親の糞をなめる習性があるそうです。コアラの主食であるユーカリの葉は赤ん坊にとっては毒素が強すぎるのですが、それを中和させるためには親と同じくらいの腸内細菌が必要なのです。パンダの子どもも成長過程で母親の糞をなめる習性があります。やはり、主食の笹の葉の消化・吸収をよくするために腸内細菌を整えることが必要だからなのです。

腸内環境を知る手がかりはウンチ

愛犬・愛猫の腸内環境が整っているかどうかは気になりますよね。
その手がかりは、ウンチの状態と排便時のペットの様子にあります。
腸内細菌の数はウンチの量と深く関係していて、ウンチの約半分は死んだ腸内細菌と生きている腸内細菌によって占めているからです。

腸内フローラの状態を知るには、ペットのウンチの状態をチェックしてみましょう。
トイレを掃除する時などに、ウンチの硬さ・色・ニオイなどをチェックする習慣をつけてましょう。
また、排便の回数や排便姿勢などで腸の異常が確認できることもあります。
自宅にいるときはできるだけ観察するように心がけて、腸の整い具合をチェックしてください。

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