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ニキビダニ症(毛包虫症・アカラス症)について

ニキビダニ症について教えてください

ニキビダニ症とは

ニキビダニ(毛包虫ともいう。アカラス、あるいは学名の属名からデモデックスと呼ばれます。)という寄生虫は、正常でも犬の皮脂や毛包に少数寄生していますが、健康なときに少数寄生しても、何の問題も起こりません。

 

しかし、何らかの原因によって免疫系がうまく働かない場合などに、多数寄生するようになると、ここに炎症と脱毛を引き起こしニキビダニ症を発症します。

 

ニキビダニ症は猫でもみられ、人にうつる人畜共通感染症(ズーノーシス)です。

 

ニキビダニ症の発症部位では、脱毛や赤く濃い色素沈着がみられます。フケがみられることもあります。かゆみは多少あるか、もしくはほとんどありません。軽度な場合は治療しなくても、自然に治癒する可能性もありますが、ボストンテリアについては、ほとんどの場合、治療が必要になります。

 

しかし、中~重度のニキビダニ症の場合は、症状が急激に現れて病変が広範囲に及ぶこともあります。脱毛やフケ、境界が不明確な紅斑(毛細血管の充血で皮膚が赤くなる。発赤もという)が認められて、皮膚が盛り上がったり腫れたりします。

 

増殖したニキビダニによって毛包が広がり、そこから細菌が感染するようになります。肉球が細菌感染することも多く、その場合には激しい炎症を引き起こします。ほかにも、発熱やリンパ節の腫大、嗜眠(睡眠時間が異常に長い)がみられることがあります。

ニキビダニ症の治療

皮膚掻爬検査、つまり、皮膚を引っ掻いて採取した検査結果から診断を行うと、ほとんどの場合、ニキビダニの増殖から診断できます。ニキビダニ症と診断されたら、ニキビダニを駆除するため薬浴(薬を入れたぬるま湯に浸ける)を行います。また、細菌感染がみられた場合には抗生物質の投与も行います。

 

ニキビダニ症の治療は、臨床症状が改善した後も4週間~半年程度続けるとともに、皮膚掻爬検査を定期的に行う必要があります。

 

ニキビダニ症は、残念ながら完全な治癒が非常に難しい病気です。そのため、飼い主の治療への理解と協力が必要になります。なお、治療過程で少しでも異常がみられたときは、必ず獣医師に報告しましょう。

 

症状が落ち着いてから1年ほど経って、始めて回復したと考えるべきです。また、ニキビダニ症に感染している犬を繁殖に用いてはいけません。

ニキビダニ症とよく似た病気

ヒゼンダニ症とミミヒゼンダニ症は、どちらも非常に強い掻痒感を伴い、さまざまな部位に炎症や細菌感染を広めます。皮膚掻爬検査の結果から診断し、ニキビダニ症と同じ方法で治療します。猫でもみられ人にうつります。これらも人畜共通感染症(ズーノーシス)です。

ヒゼンダニ症(疥癬症)

感染力の非常に強いヒゼンダニ(疥癬虫)によって引き起こされ、通常、感染した犬同士で広がっていきます。ヒゼンダニの雌は、産卵するための穴を皮膚の表面に掘り(疥癬トンネルと呼ばれる)、雄とともに一生(17~21日間程度)をそこで過ごします。

ミミヒゼンダニ症(耳疥癬症)

ミミヒゼンダニは外耳道(耳の穴から鼓膜にかけて)に寄生して、掻痒感などの症状を引き起こします。悪化すると、炎症して細菌感染も引き起こします。これらが、耳の周囲や頭部、頸部にまで広がることもあります。肉眼でも小さく白い生き物(ミミヒゼンダニ)が耳道にいることが分かりますが、確実に診断するときは耳鏡(外耳道や鼓膜を調べる器具)を使います。

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